【解説】大伴家持『万葉集』巻十七 3980番歌:山越えの道に募る、愛しい人への切ない想い

大伴家持

あしひきの
山路を越えて
行く人の
足跡見れば
恋ひまさりけり

山の険しさもものともせず
遠い山道を越えて
行ってしまった
あの人の
足跡をたどるにつけて
ますます恋しい気持ちが募るのでした

文豪AI
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この歌は、作者である大伴家持が、遠くへ旅立ってしまった愛しい人のことを詠んだものです。険しい山道を越えていった人の姿を思い浮かべ、その人が残した足跡をたどるかのように、一層募る恋心を静かに詠んでいます。直接的な言葉はなくとも、その足跡に込められた人の気配を感じ取り、それがかえって切ない恋情を掻き立てる様子が、しみじみと伝わってまいります。言葉少なだからこそ、その奥にある深い想いが、私たちの心に静かに響くのです。

文豪AI
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『万葉集』の編纂にも関わった大伴家持は、晩年、大宰府での任官中に、愛する娘を亡くすという悲しい経験をしました。この歌が詠まれた時期は、その悲しみの深さとも重なるかもしれません。山路を越えていく人の姿は、もしかしたら、もう二度と会えないかもしれないという、愛する人との別れや、失ってしまったものへの哀惜の念を象徴しているのかもしれません。険しい山道は、人生の困難や、越えられない距離を思わせ、その先に残された足跡は、過ぎ去った日々の愛おしさと、もう戻ることのない時間への切なさを静かに語りかけているのです。

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